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あまりにも大きな祝福!

  • 執筆者の写真: 耕司 大平
    耕司 大平
  • 2022年6月18日
  • 読了時間: 7分

2022年6月18日(土)  「あまりにも大きな祝福!」 LT(Loving Time)大平耕司

『春風や牛に引かれて善光寺』・・この俳句は小林一茶の有名な句の一つです。現在、この長野教会から徒歩10分くらいの善光寺で7年に一回の御開帳の祭儀が行われています。その昔、信仰心のないおばあさんが、川で洗たくをしていたら、牛が現れ布を角に引っ掛けて走り出しました。その後を追っかけていくとたどり着いたのが善光寺でした。そしたら、観音様の足下にあの布があり、牛が観音様の化身と悟り、それから信心深くなったとの話があります。冒頭の俳句、春風の心地よい風に導かれて、つい善光寺参りした気持ちをうたった一茶は、1763年に長野県信濃町の裕福な農家に生まれました。継母との折り合いが合わず、15歳で江戸に奉公に出されますが、20歳で俳句の世界に入りました。30歳から関西、四国、九州を旅しながら俳句を作りました。39歳で故郷に帰り、父亡き後の相続問題で、継母や弟と争います。やっと落ち着いて52歳で結婚をしますが、不幸なことに4人の子供が次々と亡くなり、妻にも先立たれます。再婚をしましたが、1827年に65歳の生涯を閉じます。 一生の間に2万句を詠んだのは、他の俳人に比べて断トツの多さです。有名な俳句です。『雀の子そこのけそこのけお馬が通る(五八七破調) 『やせ蛙(がえる)負けるな一茶是にある』 『名月を取ってくれろと泣く子かな』

 さて、小林一茶も師と仰いで学んだと言われる、有名な俳人がもう一人います。『おくのほそ道』は、松尾芭蕉の代表的な作品です。冒頭部分です。

『月日は百代の過客にして、行きかふ年も又旅人なり。舟の上に生涯をうかべ、馬の口とらえて老をむかふる者は、日々旅にして、旅を栖(すみか)とす。古人も多く旅に死せるあり。予もいづれの年よりか、片雲の風にさそはれて、漂泊の思いやまず・・・』

 芭蕉は人生を旅にたとえ、みずからもまたその旅人となって、故郷を捨て、未知なる世界を求め、安住すべき日常的環境も求めず、自然を枕として、一生を漂泊の中で生きた人でした。現代と違い、江戸時代の旅は文字通り命がけの旅で、一歩間違えば、それは、「死」を意味していました。なぜ、彼はそのような気持ちになったのでしょうか。

 芭蕉は寛永21(1644)年、伊賀上野(三重県)・藤堂藩の郷士(武士の身分のまま農業に従事した者)の子として生まれました。13歳の時に父親が死に、兄が父代わりとして育ててくれましたが、少年時代よりかなり頭が良かったようです。19歳の時、その教養を買われて、藩主の一族・藤堂良忠(とうどうよしただ)に仕えました。芭蕉は俳諧の相手として登用されました。郷士から士分に取り立てられようとした矢先、その望みが消えました。義忠が25歳の若さで他界したのでした。芭蕉にとって大きな絶望と挫折の時でした。家督はすでに兄が継ぎ、彼のいる場所はありません。この時期、他の者をうらやみ、またある時は、仏門に入って僧侶になりたいなどと、普通の若者と同じように悩みました。そして、数年後、人生の目的を求めて、神様の匂いのする自然界に惹かれたのでしょう。29歳でこの道で生きることを決め、江戸に旅立ったのです。しかし、江戸俳諧は各派が乱立し、排風は乱れ、門人を増やそうすれば大衆迎合の“物乞い俳句”を吟ずるしかありませんでした。芭蕉は自ら宗匠の立場を捨て、それまで住んでいた小田原町から、草深き隅田川の対岸の深川に隠退してしまいました。そこで、芭蕉庵と呼ばれたわび住まいで、清貧の生活を始めました。文芸としての俳句を作るため、正道を歩く決意を示しました。ところが、1682年に江戸駒込の大円寺から出た大火が、隅田川を超えて芭蕉庵をも焼き払いました。芭蕉はそれ以来「無所住」の決意をし、旅を住みかとする漂泊の詩人となったのです。1689年46歳になった芭蕉は、念願の陸奥(みちのく)へと向かいました。『行春や鳥啼き魚の目は泪』(深川)『夏草や兵ものどもが夢の跡』(岩手県平泉町)『閑さや岩にしみ入る蝉の声』(山形県立石寺)『五月雨をあつめて早し最上川』(山形県大石田町)『荒海や佐渡によこたふ天河』(新潟県出雲崎町)この有名な俳句を残した旅が『おくの細道』でした。史上最高の紀行文となったのです。その後、1694年に最後の旅立ちを決行し、江戸を立ち、京から大阪へと回りました。しかし、5か月後、ついに大阪で大病に倒れ、友人宅の離れで病床に就きました。辞世の句です。『旅に病んで夢は枯野をかけ廻る』つまり、「一生を旅で過ごし、草を敷き土を枕に死ぬ自分と覚悟していたのに、こんな立派な布団の上で、大勢の人々に付き添われて死ぬとは冥加に尽きる」と言って、51歳の生涯を閉じました。・・この感性は私たち日本人全員に受け継がれています。

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今日私に与えられた聖書のメッセージです。

ヨハネ17章20、21a節『また、彼らのためだけでなく、彼らの言葉によって私を信じる人々のためにも、お願いします。父よ、あなたが私の内におられ、私があなたの内にいるように、すべての人を一つにしてください。』・・・この聖句は、イエス様が十字架におかかりになる前日に祈られた、最後の祈りの場面です。イエス様は、祝福を当時の弟子たちやイエス様を信じたクリスチャンたちだけでなく、現在の私たちにも与えられました。なんという恵みでしょうか。マタイ1章18節には、「こうして、全部合わせると、アブラハムからダビデまで十四代、ダビデからバビロンへの移住まで十四代、バビロンへ移されたからキリストまでが十四代である」とあります。合わせるとアブラハムからイエス様がお生まれになるまで42代だったとあるのです。その間約2,000年です。そして、イエス様がお生まれになった時から、現在までも約2,000年です。聖書では、アダムからアブラハムまでも約2,000年と考えられていますから、合わせて、約120代です。すごいですね。では、私たち一人びとりの事を考えてみましょう。今の私やあなたがここにいるのは、何人の人が関わっていることになるのでしょうか。私たちの先祖ということです。家系図が家にある方は、何代前にさかのぼれますか?私の母親と父親で二人、そして、両親のそれぞれの両親(祖父、祖母)で合計4人、という具合に数えた場合、10代で2,046人、20代で209万7150人、そして、40代で2兆1990億2325万5550人です。ものすごい数字になりましたね。もうこのあとは、考えられない不可思議といった数字の単位が出てくるくらい大変な数字になってきます。しかし、これは、まったく血縁関係のない者同士の結婚をした数字ですので、実際は昔は特に血縁関係同士の結婚が多数あったと考えられますから、数字はもっと少なくなります。そのうえ、世界の人口も少なかったのですから。それにしても、何百万人が私やあなたに関わって、今の命があるのです。その中のたった一人が欠けても今の命はないのですから、一人の人間はそれほど神秘で素晴らしく誕生したんですね。自分に拍手を送りましょう。救い主イエス様のご誕生もこのような神様の導きでした。一部の遺伝学者は、地球上の誰もが他の誰にとっても少なくとも50番目のいとこであると考えています。そのように考えると、文字通りイエス様も私たちと血縁関係があると考えられます。もちろん、弟子たちともです。ですから、私たちの遺伝子には、それぞれの性質が受け継がれているということです。あなたのタイプは、ちょっと怒りっぽいペテロですか?それとも疑い深いトマスですか?あるいは、甘えん坊のヨハネでしょうか?厳格だったパウロでしょうか?でもご安心ください。イエス様の愛の血潮も受け継がれています。ですから、イエス様は、「すべての人を一つにしてください」と祈られたのです。もともと私たちは一つの神様から愛の命を与えられたのですから・・。私たちは愛し合う神の家族です。独りぼっちではありません。初代教会で持ち物を持ち寄ってイエス様の再臨を祈り、永遠の御国で一緒に愛し合う家族として、歩んだ弟子たちに倣うのです。そして、それを後世に伝える使命を持って生まれたのです。私たちは、イエス様によって「あまりにも大きな祝福」を頂いていることを知りました。憎しみ合う暇はありません。イエス様のペテロへのこの言葉は、私たちにも語られています。『私を愛しているか。・・私の羊の世話をしなさい』(ヨハネ21:16)。私の存在で隣人を幸せにしましょう。あまりにも大きな祝福は、あなたの愛により隣人の微笑む顔を見れる事です。

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