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  • 執筆者の写真耕司 大平

ダニエルと王と私!

2023年10月28日(土)  「ダニエルと王と私!」  LT(Loving Time)大平耕司

 バビロンの宮廷は、優れた若者に特別教育を施して徴用する制度を持っていました。ネブカドネザル王は、自身が滅ぼしたユダからの捕虜もその対象としました。そこで宮廷高官のアシペナズが選び出したのがダニエル、ハナニア、ミシャエル、アザリヤの四人。彼らは高官の計らいで捕囚以前の菜食の食事を摂ることを許されて、信仰を守りながら出仕しました。「ダニエルは宮廷の肉類と酒で自分を汚すまいと決心し、自分を汚すようなことはさせないでほしいと侍従長に願い出た」(ダニエル1:8)。特にダニエルは、その才能と神の守りにより、異国の王の信頼を得ました。そんなある日、ネブカドネザルは不思議な夢を見ました。―――王の目の前には、巨大な像がありました。頭は金、胸と腕は銀、腹と腿が青銅、すねが鉄、足は鉄と粘土が混ざり合わされた像です。そこへ突然、人手によらず切り出された大きな石が現れて像を打ち砕きました。そして、石は見る間に大きくなり全地を満たしました。―――この夢を王の賢者たち、すなわち魔術師、祈祷師、呪術師たちを召しよせて、彼らの助けを求めました。王の心は非常に強い印象を受けたにもかかわらず、目覚めた時に、その内容の細かい点を思い出すことができなかったからです。それで、彼らにその夢の内容と解明かしを頼みましたが、術師が見抜けないことに憤ったネブカデネザル王は、国中の賢者を処刑するように命じました。しかし、ダニエルにそのことが知れると、高官アルヨクに頼んで王のもとに行き、夢の解き明かしを示していただくために神に祈り求める時が与えられるように願いました。王はこの願いを聞き入れました。そして家に帰り、仲間に事情を話し、他のバビロンの賢者と共に殺されることがないよう、その夢の秘密を求めて祈りました。すると、夜の幻によってその秘密がダニエルに明かされました。そして、アルヨクに賢者たちを殺さないように、そして、もう一度王の前に出られるように頼み、王の前で、その夢を言い当て、その意味を説きました。金で出来た像の頭部はネブカデネザル王の築いた王国、そして各部位はその後に続く国を意味する事、最後の打ち砕く石は神が建てた王国で、永遠に栄え続けることを丁寧に話したのです。王はダニエルの背後に神がおられることを認め、ダニエルにバビロン全州を治めさせて、賢者の長官にも任じました。その後、ダニエルは再びネブカドネザル王の夢を解き明かします。それは豊かな大樹のもとに天使が現れる夢でした。天使は「大樹を切り倒し、実りを全て奪え、切り株に鎖をかけ、獣の心が与えられ七つの時を過ごす」と叫んでいました(ダニエル4:7~13)。これはその心に慢心が芽生えていたネブカドネザル王の後の運命でした。ダニエルが解いたように、彼は7年間人の心を失って獣のようにして生き、理性が戻ると悔い改めることになったのでした。ネブカドネザルから王位を継いだベルシャザルは、メソポタミア人最後の王となりました。その破滅もまたダニエルが預言しました。王が催した大宴会の最中、突然巨大な手が現れ、壁に不思議な言葉を残しました。それは国が滅びることを意味しました。ダニエルがそれを解き明かしたのです。その預言はその通り実現しました。その晩、水門から侵入してきたメディア・ペルシャ軍の兵士によってベルシャザルは殺され、強国バビロニアはあっさりと滅ぼされてしまったのせす。

王国を継いだダレイオス王は、大臣にダニエルを選びました。しかし学識や政治的手腕などすべてに秀でた彼は、ほかの高官に嫉妬されてしまいます。彼らは信仰に篤いダニエルを陥れるために、30日間大王以外を崇めることを禁じ、犯した場合には獅子の穴の中に入れることを王に認めさせました。ダレイオス王は、ダニエルが捕らえられた時に初めて悟り悔やんだが、法は法です。勅令は実行されました。ところがダニエルは無事でした。飢えた獅子もダニエルの前ではおとなしく伏せていたのです。ダニエルの失脚をもくろんだ人々は、王の命令によりその獅子の穴の中に逆に入れられて襲われて死にました。

 冒頭で述べましたネブカデネザル王の夢ですがそのバビロニア帝国に続く国々が預言されていました。金の頭バビロニアに続く銀の胸と腕は、メディア・ペルシャ王国です。組まれた両腕が、メディアとペルシャの共同統治を表しています。そして、この国は「銀」で裕福になり、各国に「銀」で税金を支払っています。その後に世界を統治するのが銅で作られた腹とすねの国、ギリシャ王国です。メディア・ペルシャ王国と比べたら弱い国でしたが、神の不思議な介入により奇跡的に不利な戦いに次々と勝利していきました。有名な王がアレキサンダー大王です。そして、鉄のすねの国が、ローマ帝国です。鉄のように強い国でした。パクス・ロマーナと言われる200年の平和な黄金時代を造り上げたのでした。足が二本あるように、建国後東ローマ帝国と西ローマ帝国に分かれました。そして次が鉄と粘土が混ざり合った足先です。これは、水と油のように色々な国々が統一されることなく、存在する国です。足の指が10本あるように後にローマは10の国に分裂し、滅んでしまいます。現在のヨーロッパ諸国のことです。これまでに幾たびかヨーロッパを統一支配しようする働きがありましたが、ことごとく失敗に終わっています。その中でも有名な将軍がナポレオンでした。彼は「全知全能の神がなさることは、私の手に負えなかった」と後に話しています。そして最後は、人手によらず切り出された石が登場し、像を全て破壊し、永遠に続く神の国が到来するというものです。文字通り、イエス・キリストの再臨から始まる天国到来の記述です。さて、このように数々の不思議な神の介入によって神の使命のために助けられたダニエルでしたが、さらに重要な預言が与えられます。それは、ダニエル7章から9章に書かれてあります。「二千三百回の夕と朝の間である。そして聖所は清められてその正しい状態に戻る」(ダニエル8:14)。預言の一日は一年を表しています(民数14:34、エゼキエル4:6)。「エルサレムの建て直せという命令が出てから」(ダニエル9:25 )、つまり紀元前457年から2300年後の1844年にキリストの天の聖所での大祭司のきよめとさばきの最終的な働き、すなわち終末の調査審判の働きが始まる事を預言しました。またローマ帝国のあとを継いだ法王権(ローマカトリック支配)の期間1260年(一年、二年と半年の間:ダニエル7:25)とイエス・キリストの公生涯の開始と十字架の死を預言して「六十二週のあとにメシアは断たれるでしょう。ただし自分のためにではありません。・・そして彼はその週の半ばに、犠牲と供え物を廃するでしょう」(ダニエル9:27)と語ります。ダニエルに与えられた預言は、神とサタンとの間の大争闘を示し、メシアすなわち救い主の到来とあがないの死、終末時代への壮大なパノラマでした。彼は、「私ダニエルは疲れ果てて、何日が病気になっていた。その後、起きて、宮廷の務めに戻った。この幻にぼう然となり、理解できずにいた」(ダニエル8:27)と語り、もちろん人間の限界をはるかに超えた預言の霊を与えられたのが分かります。

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今日私に与えられた聖書のメッセージです。マタイ5章10~12節『義のために迫害される人々は、幸いである。天の国はその人たちのものである。私のために罵られ、迫害され、・・悪口を浴びせられるとき、あなたがたは幸いである。・・喜びなさい。大いに喜びなさい。天には大きな報いがある。あなたがたより前の預言者たちも、同じように迫害されたのである』・・・ダニエルとネブカデネザルの違いは何だったのでしょうか?先に述べたように、王は高ぶり、神から7年間の刑罰が下ります。その後正気に戻った王が述べました。「私はいと高き神をたたえ、永遠に生きる方をほめたたえた。・・すべて地に住む者は無に等しい。天の軍勢をも地に住む者をも御旨のままにされる」(ダニエル4:31,32)。エレンホワイトは「王の王が、バビロンの王に大いなる真理を伝えようとしておられたのである。・・もしできることならば、彼の天に対する責任感を目覚めさせようとするのであった。終末に至るまでの将来の出来事が、彼の前に展開されるのであった」(国と指導者下106頁)。ダニエルは、神の愛に溶け込むばかりに慕い、信仰をもっていました。しかし、王にとっては、神はあくまでも己の夢を実現させてくれる存在でしかなく、実質は自分が神でした。信仰の本質は、イエスを知り愛に溶け込むことです!

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