ハイブリッド信仰!
- 耕司 大平
- 2023年9月9日
- 読了時間: 7分
2023 年9 月9 日(土) 「ハイブリッド信仰!」 LT(Loving Time)大平耕司
サムエル記上17 章45,47 節『お前は剣や槍や投げ槍で私に向かって来るが、私はお前が
挑戦したイスラエルの戦列の神、万軍の主の名によって、お前に立ち向かう。・・主が救
いを賜るのに剣や槍を必要とはされない・・この戦いは主の戦いである。主はお前たちを
我々の手に渡される』・・・これは、若いダビデが敵のペリシテ軍の戦士ゴリアテと戦う
前に放った言葉です。紀元前1020 年頃、この当時、イスラエルに初代王サウルが立てら
れていました。預言者サムエルによって油注がれたものの、神の命令に背いてしまい、最
後は神から見放されてしまいす。神はサムエルに命じて、羊飼いエッサイの末息子ダビデ
に油を注がれました。そんな時、敵のペリシテ軍がイスラエルに戦いを臨んできました。
そして、背が3 メートルほどのバカでかいゴリアテが戦場で進み出て、「お前たちの中か
ら誰か一人を選んで、私の方へ下りて来させよ。もしその者が私と戦って、打ち負かすこ
とができたなら、我々はお前たちの奴隷となろう。しかし、もし私がその者を打ち負かし
たなら、お前たちは奴隷となって、我々に仕えるのだ」(同17:8,9)。これに対してイス
ラエル軍はとても怖がり、誰も戦いに行くことはできませんでした。このような事が40
日間も続いたある日、父親のエッサイから頼まれて、戦場にいる兄達や兵に差し入れの食
事を持たされたダビデの姿がありました。その時、いつものゴリアテの挑発を聞いたダビ
デは、兵にこの内容を尋ねたところ、ゴリアテを打ち負かした者には、サウル王が大金と
王女を嫁にあげて、さらに特権を与えるという旨を聞きました。そのダビデのゴリアテ討
伐に興味津々な様子を見て、王に告げる者がありました。サウル王は、ダビデを呼び寄せ
ます。ダビデは王に、「私が行って、あのペリシテ人と戦いましょう」と宣言します。驚
く王に、「私は羊飼いです。羊を襲うライオンも熊も打ち殺してきました。ですから、あ
の無割礼のペリシテ人もあの獣のようにしてみせます。生ける神の戦列をあざ笑ったので
すから。主は、あのペリシテ人からも、私を救い出してくださいます」(同17:33~37 略
)と言いました。王は、「行くがよい」と許可を出し、自分の鎧や兜を着せ、剣を持たせ
ようとします。しかし、重たくて、それを断りました。いつものかっこうで、羊を追い立
てる杖と、獣用の石投げ機と五個の石を拾ってゴリアテの前に進み出ます。すると彼は、
「私は犬か。杖を持って私に向かってくるとは」と驚嘆してあざ笑い、「さあ掛かって来
い。お前の肉を空の鳥、野の獣にくれてやろう」と叫びました。その時に、ダビデがゴリ
アテに言った言葉が冒頭の聖句です。…『お前は剣や槍や投げ槍で私に向かって来るが、
私はお前が挑戦したイスラエルの戦列の神、万軍の主の名によって、お前に立ち向かう。
・・主が救いを賜るのに剣や槍を必要とはされない・・この戦いは主の戦いである。主は
お前たちを我々の手に渡される』。その言葉を発するや否や、ダビデは石投げ機に石を詰
め、ゴリアテをめがけて投石しました。そしたら、その石がゴリアテの額にみごと命中し
食い込みます。巨人はその場で倒れ、ダビデは急いで彼の所へ走り寄り、ゴリアテの剣で
とどめを刺し、首を切り落としました。それを見たペリシテ人たちはいっせいに逃げ出し
ます。鬨の声を上げて、イスラエル軍は敵を追撃し、打ち負かしました。その後、サウル
王はダビデを召し抱え、あちこちの敵地に出陣させました。そのたびに勝利を収めるダビ
デに対して、王は彼を戦士の長に任命しました。しかし、敵に勝利し戻ってきた軍隊をタ
ンバリンを打ち鳴らしながら喜んで迎えた女たちが、「サウルは千を討ち、ダビデは万を
討った」とはやし立てました。それを聞いたサウルは激怒します。王は狂ったようになり
ダビデを妬み、二度も槍で突き殺そうとしました。神の守りで難を逃れた彼は、その後も
出陣し勝利を収め帰ります。王はますます彼に恐れを抱きます。それでも、ダビデは最後
までサウル王に仕え、忠誠を尽くし切ります。やがて神はサウルを完全に離れます。戦場
で追いつめられた王は、自刃します。その後、ダビデはサウル王のあとを継いで、イスラ
エルの偉大な王として君臨することになります。15 年後の紀元前1005 年のことです。
さて、話は変わりますが、今日の題名にありました「ハイブリッド」という言葉を聞いて皆様が思い出すのは、そうです。車のハイブリッドカーですね。モーターとガソリンエンジンが組み合わさった車です。世界で初めてこの車を開発したのが、つい最近までトヨタ自動車の社長を務めていた、現会長の豊田章男氏です。ハイブリッドとは、「異なる二つの要素が組み合わさったもの。またはそのような要素を持つものを指す」(実用日本語表現辞典)とありました。さて、本日の説教題「ハイブリッド信仰」とは、ダビデと同様神の力と共にある人間の二つの異なる要素が組み合わさった者の信仰ということになります。世の動きは、人間の罪と悪魔の邪悪さにより滅びへ向かっています。それを留められるのは、イエス・キリストの愛です。今、私たちの周りに溢れる欲望に火をつける数々の邪悪な嗜好品があります。それは、情報化によるインターネットの普及により加速を増しています。毎日、世界は大きく変わっています。その混沌とした社会にあって、従来の方法で対処しても通用しない様々な問題に頭を悩ますようになりました。特に翻弄されているのが、幼い子供たちです。現在の子育て中の親たちやこれから家庭を持つ人にとって、受難の日々です。すでに、子供や家族の問題で悩んでいる人たちもたくさんいます。さきほどの、トヨタがハイブリッド車を開発した理由とは、変わりゆく世の中の環境と人間のニーズに合わせたものです。そうでないと企業としても生き残れません。それと同じで、私たちの変わりゆく社会においても自分たちの力だけでは、どうにもならない問題がますます増えてきます。そんな時に、全てを御支配なさり、私たちを心から愛しておられるイエス様の力を必要とします。ダビデやその時代を生きた士師たちと同じように、ハイブリッド信仰をもち、神に寄り頼み、これからの時代を生き抜く必要があります。・・・ヨシュアによって、約束の地カナンに戻ったイスラエル民族ですが、12部族の100万とも200万とも言われる人たちの安住の地が確保されました。戦いに明け暮れた戦いの時代は終わりを告げました。しかし、今度は外敵の脅威にさらされる時代が幕を開けました。彼らの土地のほとんどは、周辺を異民族に取り囲まれていたため、その領土を狙った侵略が継続的に続いていたし、イスラエル人によってカナンを追われた人々も、虎視眈々と領土の復活を狙っていました。軍事的な攻撃に加え、さらにイスラエル人の団結を乱す脅威となったのが異教の存在でした。安住の地を得た新しい世代のイスラル人たちは、自分たちの神から離れて、カナン人の崇拝するバアル神のような豊穣の神を求めるようになっていきました。こうした気運は、異民族との婚姻関係を通じて、イスラエル人に浸透していきました。これは民族の解体につながる危機的状況です。だから、民族の再団結が求められるようになったのです。それで登場するのが12人の士師たち。人間の愚かさが招く歴史の繰り返しですが、イスラエル民族が神に背くことにより、神から見放され、敵に攻められ異民族の支配になってしまう。やがて人々が自らの過ちに気づき、悔い改める。そして民が再び神を崇めるようになると、神は士師を遣わして彼らを救う。しかし、事態が好転すると、再びイスラエル人たちは神に背いて、異郷の神を崇拝するようになる。このような外敵による侵略と支配の時代と、これらを撃退した12人の士師によってもたらされる平和の時代が繰り返された時代を、士師時代と呼びます。約200年間そのような時代が続きます。その時代を終わらせたのが、サウルによるイスラエル王国の建設、それを継いだダビデ王の時代でした。私たちがこの神の民の歴史を学んで、何をしなければならないのか?それは、「今だけ、金だけ、自分だけ」といったことではなくて、私や隣人の子供、孫、曾孫、そのあとの世代を考えなければならないということです。ひどい時代は起こらないと考えたいのは人情です。しかし、士師時代や聖書が示す愚かな歴史のように、必ず私たちの子孫たちが苦境に陥る時代がきます。それも、どうしようもない邪悪で最悪な時代が到来しそれから終わりの時代が来るのです。その時には取り返しがつきません。私たちには、ハイブリッド信仰をしっかり持ち家族や隣人に伝える責任が、赦されているのです。
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