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一人の人によって!

  • 執筆者の写真: 耕司 大平
    耕司 大平
  • 2022年8月20日
  • 読了時間: 7分

更新日:2022年8月20日

2022年8月20日(土)  「一人の人によって!」  LT(Loving Time)大平耕司

 8月15日は終戦記念日ですが、そもそも第二次世界大戦に日本が参戦し、太平洋戦争へと激化していった原因は何だったのでしょうか。それは、ペリー艦隊の黒船来航にさかのぼるものです。産業革命以来、燃料、資源調達のために、欧米列強は植民地政策をさらに推し進めてきます。黒船来航もアメリカの燃料確保のための捕鯨活動の拠点を作る目的がありました。もちろん日本との交易や植民地支配もその延長線上にあります。あわてたのは、鎌倉時代から続いた封建制社会において争いに勝利を収め、長期安泰の為に平和ボケしていた徳川幕府の幕臣たちでした。国内の紛争が終わったと思ったら、外国との争いの中に引き込まれていったのです。鎖国から世界への開国と続いていくのですが、資本主義、全体主義社会(グローバル社会)への道のりでした。とは言っても、数名の人間でしたら、生活の変化や考え方の変化など説得すれば簡単なことですが、日本国内の何千万の人々への説得は容易なことではありません。それぞれの利害にも関係するため、方法を間違うと暴動や争いに発展します。・・大きな節目は、まず明治維新にありました。熱き志士達によって武家支配から民主国家への激動の改革が行われました。それに伴い、多くの尊い血が流されたのです。そして文明開化と言われる改革が押し進められました。この改革に命をかけた志士たちに大きな影響を与えたのは、武士道につながるキリスト教精神でした。多くの志士たちが信仰を持って闘ったのです。さて、民主主義への変化は良いことだったのですが、それに伴い、人口増加、個人消費の増大につながります。そうなると欧米同様、生活向上に伴う生活物資・食糧確保が大きな課題になり、エネルギー調達が次の大きな政治的関心になります。どこまでいっても人間の悩みは尽きません。近代化へと大きく動いた日本ですが、またまた大きな問題が勃発します。欧米諸国の東南アジア植民地支配への懸念があり、すでに占領されていた国々の独立運動の手助けに乗り出します。それは、また、日本のエネルギー資源獲得のためにも有意義だったのです。そこに、欧米との利害衝突が起こります。決定的に太平洋戦争へのきっかけになったのは、アメリカからの経済制裁でした。資源に乏しい日本にとって大きな痛手です。武士道の精神で快進撃を収め続けていた日本軍は、その勢いで米・英・仏を敵に回してしまいます。結果は御存知の通り、沖縄戦で敗北が決定的となります。国民の救命を第一と考えていた昭和天皇は、以前皇室の侍従長だった信頼のおける鈴木貫太郎に終戦のための内閣を準備させました。終戦の年の1945年4月でした。そして、鈴木貫太郎が内閣総理大臣になり真っ先に組閣の中心人物として、陸軍大臣に阿南惟幾(あなみこれちか)を起用しました。彼もまた昭和天皇に侍従武官として仕えた人物でした。昭和天皇に信頼されていたこと、また、彼の高潔で誠実な性格は、鈴木貫太郎をはじめ周りの軍人や家族にも多大な信頼を得ていました。戦争終結への天皇陛下の意図は、鈴木貫太郎と阿南惟幾の二人だけの心に収められていました。そうでないと、徹底抗戦を貫く軍内部のクーデターにより軍事政権樹立への暴挙が起こるのは必至でした。8月に入り、広島と長崎に相次いで原爆が落とされます。敗戦が決定的になります。ポツダム宣言を受入れる無条件降伏について、いよいよ、鈴木内閣において最高戦争指導会議が行われます。議論は真っ二つに分かれます。7時間に及ぶ会議に決着がつきません。このとき鈴木首相がとった策略が、御前会議に持ち込むというもの。昭和天皇を前に、13人の閣僚は、最終的な決断を天皇自身に委ねました。そして、天皇が無条件でポツダム宣言を受入れる旨を話されます。すすり泣く大臣たち。その後、陸軍省に戻った阿南大臣に将校たちが詰め寄ります。その際に、「天皇陛下のご聖断に従う。従えない者は俺を殺してからにしろ」と阿南は興奮している彼らを大喝し制します。しかし、阿南の耳には、その間も興奮を抑えきれない軍部のクーデター計画を次々と聞かされます。そして、8月15日に昭和天皇自らの『終戦の詔勅』が放送されました。その後、終戦に伴う臨時閣議が開催されす。その際、鈴木首相から「阿南陸軍大臣は、今暁(こんぎょう)午前5時に自決されました。反対論を吐露しつつ最後の場面までついて来て、立派に終戦の詔勅(しょうちょく)に副署してのち、自刃(じじん)して逝かれた。このことは立派な態度であったと思います」。まだ生き残っていた500万人にも及ぶ陸軍人たちのいまにも飛び出しそうな徹底抗戦や戦争継続、クーデターによる軍事政権樹立への血柱が全軍の信頼を集めていた阿南惟幾の切腹によって一夜にして静まったのです.

辞世の句です。「大君の深き恵に浴(あ)みし身は言ひ遺こすへき片言もなし」。つまり、「天皇陛下の深い御心をいただいた我が身なので、死に際して言い残すことは何もない」

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今日私に与えられた聖書のメッセージです。

ヨハネ11章50節『一人の人間が民の代わりに死に、国民全体が滅びないで済む方が、あなたがたに好都合だとは考えないのか。』・・・この個所は、イエスがラザロを生き返らされた不思議な業を行われた直後、イエスに反対している祭司長たちとファリサイ派の人々がユダヤの最高議会であるサンヒドリンを招集して、「この男は多くのしるしを行っているが、どうすればよいか。このままにしておけば、皆が彼を信じるようになる。そして、ローマ人が来て、我々の神殿も国民も滅ぼしてしまうだろう」(同47,48節)と話したことに対して大祭司であるカイアファの口から預言として出た言葉でした。「これは、カイアファが自分の考えから話したのではない。その年の大祭司であったので預言して、イエスが国民のために死ぬと言ったのである。国民のためばかりでなく、散らされている神の子たちを一つに集めるためにも死ぬ、と言ったのである」(同51,52節)。他の個所でパウロは、「しかし、恵みの賜物は罪とは比較になりません。一人の罪によって多くの人が死ぬことになったとすれば、なおさら、神の恵みと一人の人イエス・キリストの恵みの賜物とは、多くの人に豊かに注がれるのです」(ローマ5:15)「死が一人の人によって来たのだから、死者の復活も一人の人によって来るのです」(Ⅰコリント15:21)と話しています。つまり、アダムとエバの選びによって、子孫である私たちは罪を背負い、永遠に滅びるものになったと聖書の初めにあります。つまり、蛇にそそのかされて神のご支配から離れ、自己の支配を選んだエバから、自己中心に生きる罪の支配及びサタンの支配がこの世に入り込んできました。私たちは死ぬ者となったのです。しかし、神のご計画はそれでは終わりませんでした。神は、救い主イエス・キリストを私たちにお送りになられ、人間の罪の身代わりとされ十字架におかかりになられたのです。そこに、神の愛の統治が全宇宙に示されました。三位一体の神であられるイエス・キリストは、その罪なきご自分のご性質を私たち人間の罪の身代わりとして差し出されたのです。父なる神はそれを良しとし、イエス・キリストを信じる信仰のゆえに、罪を赦し永遠の命を回復してくださることを約束してくださいました。十戒(出エジプト20:3~17)は神の愛と天国のルールを私たちに示し、同時に罪深い私たちの性格を省みさせました(マタイ5:17~30)。イエスははっきりと言われました。「私の父の御心は、子を見て信じる者が皆永遠の命を得ることであり、私がその人を終わりの日に復活させることだからである」(ヨハネ6:40)。私たちがイエス・キリストを見上げる時、私たちの罪がはっきりと浮かび上がってくるのです。紀元前1400年ごろモーセが、エジプトから神の民を導き出し故郷のカナンの地に帰る途中、神の導きと守りを忘れた民が不平をつぶやきだしました。神は毒蛇からの守りを解かれ蛇に噛まれた民が多く死にました。神は青銅で造った蛇を旗竿の先に掲げさせ、それを見上げた者は回復することをモーセに告げられ、その通りになりました(民数記21:4~9)。エレン・ホワイトの言葉です。『この地上に生を受けた者はみな、「悪魔とか、サタンとか呼ばれ」た「年を経たへび」の毒牙にかまれた(黙示録12:9)。罪の致命的結果は、神がお備えになった方法によってのみ除くことができる。・・キリストは悔い改める罪人をいやす力と功績を、御自分のうちに持っておられる』(人類のあけぼの下34頁)

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