情報戦から目を覚ませ!
- 耕司 大平
- 2022年3月5日
- 読了時間: 6分
2022年3月5日(土) 「情報戦から目を覚ませ!」 LT(Loving Time)大平耕司
昔ある国に、軍人のセミョーン、たいこ腹のタラース、ばかのイワンと、彼らの妹で口のきけないマルタの4兄弟がいた。ある日、都会へ出ていた兄たちが実家に戻ってきて「生活に金がかかって困っているので、財産を分けてほしい」と父親に言った。彼らの親不孝ぶりに憤慨している父親がイワンにそのことを言うと、ばかのイワンは「どうぞ、みんな二人に分けてお上げなさい」というので父親はその通りにした。
3人の間に諍(いさか)いが起きるとねらっていた悪魔は何も起こらなかったのに腹を立て、3匹の小悪魔を使って、3人の兄弟にちょっかいを出す。権力欲の権化であるセミョーンと金銭欲の象徴のようなタラースは小悪魔たちに酷い目に合わされるが、ばかのイワンだけは、いくら悪魔が痛めても屈服せず、小悪魔たちを捕まえてしまう。小悪魔たちは、一振りすると兵隊がいくらでも出る魔法の穂や揉(も)むと金貨がいくらでも出る魔法の葉、どんな病気にも効く木の根を出して助けを求める。イワンが小悪魔を逃がしてやるとき、「イエス様がお前にお恵みをくださるように」と言ったので、それ以来、小悪魔は地中深く入り、二度と出てこなかった。
イワンは手に入れた宝で、兵隊には踊らせたり唄わせたりして楽しみ、金貨は女や子供にアクセサリーや玩具として与えてしまう。無一文になった兄たちがイワンの所にかえってくると、イワンは喜んで養ってやったが、兄嫁たちには「こんな百姓家には住めない」と言われるので、イワンは兄たちの住む小屋を造った。兄たちはイワンが持っている兵隊や金貨を見て「それがあれば今までの失敗を取り戻せる」と考え、イワンは兄たちに要求されて兵隊や金貨を渡してやる。兄たちはそれを元手にして、やがて王様になった。
イワンは住んでいる国の王女が難病になったとき、小悪魔からもらった木の根で助けたので、王女の婿になって王様になった。しかし「体を動かさないのは性に合わない」ので、ただ人民の先頭に立って以前と同じく畑仕事をした。イワンの妻は夫を愛していたので、マルタに畑仕事を習って夫を手伝うようになった。イワンの王国の掟は「働いて手に胼胝(たこ)がある者だけ、食べる権利がある。手に胼胝のないものは、そのお余りを食べよ」と言うことだけだった。
ある日、小悪魔を倒された大悪魔は、人間に化けて兄弟たちの所にやってくる。セミョーンは将軍に化けた悪魔に騙されて戦争をして、タラースは商人に化けた悪魔に騙されて財産を巻き上げられて、再び無一文になる。最後に大悪魔はイワンを破滅させるために将軍に化けて軍隊を持つように仕向けるが、イワンの国では人民は皆ばかで、ただ働くだけなので悪魔に騙されない。今度は商人に化けて金貨をばらまくが、イワンの国ではみんな衣食住は満ち足りており、金を見ても誰も欲しがらない。そればかりか、悪魔は金で家を建てることができず、食べ物を買えないので残り物しか食べられず、逆に困窮して行く。
しまいに悪魔は「手で働くより、頭を使って働けば楽をして儲けることができる」と王や人民に演説するが、誰も悪魔を相手にしなかった。その日も悪魔は、高い櫓(やぐら)の上で、頭で働くことの意義を演説していたが、とうとう力尽きて、頭でとんとんと梯子(はしご)を一段一段たたきながら地上に落ちた。ばかのイワンはそれを見て、「頭で働くとは、このことか。これでは頭に胼胝よりも大きな瘤(こぶ)ができるだろう。どんな仕事ができたか、見てやろう」と悪魔の所にやってくるが、ただ地が裂けて、悪魔は穴に吸い込まれてしまっただけだった。*************Wikipedia「イワンのばか」より*********
今日私に与えられた聖書のメッセージです。
ヨハネ1章1節『初めに言があった。言は神と共にあった。言は神であった』・・・聖書は、「初めに、神は天地を創造された」(創世記1:1)という一節から始まります。とても大切な御言葉ですが、ヨハネはそのことを深く掘り下げています。「万物は言によって成った。言によらずに成ったものは何一つなかった。言の内に命があった。言は人間を照らす光であった。・・言は世にあった。世は言によって成ったが、世は言を認めなかった。・・しかし、言を受け入れた人、その名を信じる人々には神の子となる資格を与えた。この人々は、血によってではなく、肉の欲によってでもなく、神によって生まれたのである。」(ヨハネ1:3,4,9~13)とあります。つまり、『この地球上のあらゆるものは、神の言葉によってできたが、それを信じる者はいなかった。しかし、この方イエス・キリストを信じる者は、罪に陥った滅ぶべき存在から、永遠へと回復させられる。イエス様と同様、神の子としての資格を与えられるのである』と述べています。この中で非常に興味深いことは、イエス様ご自身が神であり、神の発せられる言葉によってこの世のすべてができ、その言葉自体が、我々人間を照らす光であることを示しています。
確かに、私たちは、言葉によって動かされます。最近は、情報社会と呼ばれるようになりました。昔から、人々は上からの情報によって戦争に駆り立てられ、あるいは、ある独裁者や支配者の言葉(思想)によって村や国を形成してきました。そして、今は、インターネットの世界的な普及によって、さまざまな情報が瞬時に手元に届くようになったのです。ですから、その戦いは情報戦となって激しく世界の人々の心を翻弄しています。
現在、ロシアとウクライナで戦争が起こっています。世界中が関心を示していますが、私たちは、冷戦時代を境に西側諸国として数えられていますが、ロシアは東側諸国です。つまり、資本主義・自由主義の国々と、社会主義・共産主義の国々との違いです。当然、私たちは西側寄りの情報が入りますので、ロシア側が一方的に悪いという情報を受け取っています。しかし、本当のところはあまり分かりません。一方では、世界大戦後、西側諸国の軍事的協力関係にある北大西洋条約機構(NATO)の勢力が拡大してきて、ロシア側を恐怖に陥れているという情報もあります。
この争いの中心は、資本主義と社会主義のイデオロギーの違いにあります。どちらがいいとは簡単には言えません。社会主義では、資本は国のものであり、個人が持つことはできません。反対に、資本主義では個人が資本を持つことができます。だから、資本主義はお金によって不平等、格差社会が生まれてしまい、人々がそれに左右されてしまいます。つまり、個人的に資本力のある人物の言葉が神になってしまいます。社会主義は、その反対に平等な社会が実現しますが、そのかわり、やる気や能力のある人がどれだけ頑張っても、怠ける人と同じ待遇だと、やる気がそがれて、経済や国が発展していかないという短所が出てきます。また、その国のリーダーは独裁者になり、その人物の言葉が神になります。ま~、似ているのは、どちらにしても、ある特定の人物の声が神の言葉として私たちに影響を及ぼすのです。私たちは東側諸国に生まれないで良かったと思っています。しかし、それは正しいでしょうか?資本主義のルールにより、あなたや私は資本家の支配下にあります。今、日本の経済的な現状を知っている人がこの中にどれだけいるでしょうか?日本の企業、日本の銀行だと思っていたものが、8割がたが外国資本だとしたらいかがでしょうか?日本であっても実質的には、外国の経済的植民地であることを知りましょう。
そんなことはどうでもいいかもしれませんね。しかし、覚えておきたいのは、私たちはどのような罪ある人間の言葉にも左右されない真理の言葉を持っているということです。どのような環境に置かれようとも、イエス様の言葉によって生かされるのです。それも永遠に。私たちはイエス様の言葉によって生まれ、育ち、愛し合い、永遠へと導かれます。トルストイもそこを言いたかったのかもしれませんね!お互いに目を覚ましましょう!
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